なぜ日本のマンションは5階、10階、14階建が多いのか?

こんにちは・・・年末も近くなりましたね・・。

マンション工事等を手がけていて実は、工事依頼を頂き、「私は何階建ての何号室すか?」と聞くと、エレベーターが有る無し等が大まか検討が付くんですね。 特に辛いのが・・ナンと言っても階段荷上げ!!です。  「ふと」 気が付いた事・・・・=みんな知ってるのかな???と・・。

5階建は多いのに6階建が少ない理由は「階段の数」なんです・・・。

みなさん知ってましたか??一応、ゼネコン経験者、1級施工管理技術者ですので・・当たり前の事ですが・・。

実は、日本にあるマンションは、多いのが5階、10階、14階建のマンション。なぜこの3種類が多いのか皆さんはわかりますか?実はいずれも規制が影響しているんです。
まず、5階建のマンションが多いのは「階段の数」に理由があります。実は建物は6階建以上になると原則として2つ以上直通階段をつくらなければいけないことになっています。直通階段とは、その階段を利用して直接地上に出ることができる出入り口がある階(通常1階)に到達できる階段のことをさします。つまり、一般的には避難時に1階までたどり着ける階段のことをさすと考えてください。
5階建のマンションであれば1つの直通階段ですみますが、6階建の場合(緩和規定に該当する場合は除く)には2つ以上の直通階段が必要となるため、コストがかさんでしまいます。そのため、6階建のマンションはあまり見かけないんです。
10階や14階建が多いのは「はしご車が届くかどうか」といった理由から
それでは10階建や14階建のマンションが多いのはなぜでしょうか。これは高さによる規制があるためです。1つの理由は、建物の高さが31mを超えると、様々な規制(例:隣地斜線など)がかかってくることになるため。通常31mといえば、10階建程度のマンションに該当するといえ、そのため10階建が多いと判断できます。また、高さ45mを超える部分になると建築基準法や消防法などの規制が厳しくなることから、14階建のマンションも多いんです。
また、高さ31mを超えると、通常のエレベーター以外にも非常用のエレベーターを設置しなければいけません(緩和規定を利用すれば14階建も同様の理由)。はしご車による消防活動は、一般的に10階程度が想定されているケースが多く、それ以上の階の場合にははしご車が届かない可能性があります。そのため、非常用エレベーターの設置義務があり、それがコストがかさむ要因となるため、10階や14階で建てられているんです。
こうして理由を知ると、5階、10階、14階建のマンションが多いことに納得しますよね。日本の規制がマンションの階数も制限している部分があるのです。是非お近くのマンションの階数を調べてみてください。
「昔・・・・資格を取る時、ゼネコン時代に、こんな勉強したな・・・・・・と・・。」思う今日この頃です・・。